またひとつ、年を取った

もう誕生日がうれしい年でもない。それどころか、焦りは募るばかり。何に対する焦りなのか。結婚、出産、仕事…?
誕生日と同じ日に祖父の四十九日忌があり、親戚が一同に集まった。私より年下の子がもうすぐ出産予定だとか(でき婚だけど)、結婚を前提にお付き合いしている人がいるとか、もう結婚しているとか。口に出しては言わないが、まわりの「お前はどうなんだ」的な視線が痛い。そして他人の幸せを心から祝福できない自分が情けない。私の中は、妬み嫉みで溢れている。すごく嫌な奴だと思う。
私の中には昔から「女の幸せ=結婚・出産→幸せな家庭」という考えがある。だから結婚願望が人一倍強い。こんな私にも、数ヶ月前までは結婚したいと思える人がそばにいた。が、いろいろあってサヨナラをした。その瞬間から、私の未来予想図は真っ黒になってしまった。それまでは、勉強も仕事もその人と一緒になることを目標にやってきたから、この先何のために生きていけばいいのかわからなくなった。それだけ、私はその人に依存していたんだということにも気づいた。
未来に希望なんてない。特に目標もない。だったら、生きている意味がない。死んでもいいとすら思う。でも、そんなことを思っているなんて両親が知ったら、きっと悲しむから言わない。自殺なんてしたら、残した家族の未来を奪うことにもなる。私が天涯孤独の身だったら、死んでいたかもしれない。でも本当に死にたい人は、残される家族のことなんて考える余裕がないほど苦しい人なのだろう。そう考えると私はまだまだ死というものを甘く見ている気がする。
一生結婚できない気がする。そう言うと、「まだ若いんだから大丈夫よ」とまわりの大人は言う。いやいや、大丈夫なものかね。全然大丈夫な気がしないんですけど。事態は深刻なんですけど。といつも思う。私がものすごい美人で、しょっちゅう一目惚れでもされないかぎり、そういう考えは無理がある気がする。とりあえず、早く他に好きな人を探そうと思うものの、こちらから出会いの場に飛び込んでいく勇気も行動力もない。心から求めていないということなのか。親には「お見合いしたい」「お見合いでもいいから結婚したい」と言っている。母親には「そこまで思っているなら、一緒に結婚相談所へ行こう」と言われた。それだけは嫌だと断った。